ハーレーが縁でバルコムに出会いBMWに魅了された若きメカニック
氏名:七邊 英明 /Hideaki shichibe
出身地:岡山県出身 – バイクに興味を持ち始めたのは? 七邊 ● お父さんが乗っていたことはあるそうなのですが、物心をついたときには家にバイクがあるという環境ではなかったです。中学生になると友人のお兄さんがモトクロスに乗っていたので、その方に連れられてモトクロス場でバイクに乗らせてもらったりということはありました。その頃にバイクに興味を持ち始めました。 – 高校時代になると実際にバイクに乗り始めるのでしょうか? 七邊 ● 高校に入るとまずは家族にも内緒で原付免許をとりました。そして近所の方から不動車のHonda Jazz 50というアメリカンバイクを譲っ てもらいました。そのバイクを自宅の小屋でバラバラにしてから再生をスタートしたんです。エンジンも下し、フロントフォークも分解するようなプロジェクトでした。親には「免許を取らない代わりにバイクいじりはさせてくれっ」てお願いしたんですよ。 – メカニックの知識も無く修理することができたのでしょうか? 七邊 ● 知識など全く無いし助言してくれる方もいなかったので、レストアの本やサービスマニュアルを買ってきて独学で勉強しました。また近くに板金屋さんがあったので、頼みこんでフレームの塗装をお願いしたり。やっと組み上げて走らせても調子が悪くて、調整を何度もしたりと試行錯誤でしたが、本当に良い思い出ですね。 – 高校時代にしては本格的ですね。親からは経済的な援助をしてもらっていたのですか? 七邊 ● 当時ガソリンスタンドでバイトをしていたことで、高校生にしてはお小遣いがありましたから、趣味に投資できたのだと思います。そうそう、内緒で取得した免許のこともすぐに親にはバレてしまったんですよ。それからは堂々とJazz 50で友達と走りに行っていましたがね(笑) -当時からバイクのメカニックになる夢を持っていたのですね。 七邊 ● 工業高校に通っていたこともあり、将来の夢もメカニックに向かっていました。当時は車のメカニックになりたいと思っていましたので地元の自動車整備の専門学校に進学を決めました。 – なぜバイクでは無く、車のメカニックだったのですか?
七邊 ● 当時の僕の住んでいる地域でバイク屋というと自転車屋の延長のような小さな店ばかりでしたから、バイク屋でメカニックとして食べていけるようなイメージが無かったのでしょう 。 – 在学中にはバイク熱は続いていましたか? 七邊 ● バイクへの思いは相変わらず熱かったので、専門学校に入ってすぐにバイクの大型免許まで取得しました。 – それでは大型バイクが欲しくなったのではないですか? 七邊 ● そのとおりです。ヤマハ ドラッグスター1100を買おうと思っていました。まさにその時期にバルコムグループがハーレーダビッドソン・バルコム福山店をオープンしました。それでアメリカンバイクが好きなことだし、高値の花ではあるけどハーレーを見に行こうということになって友達とバルコム福山店へ行きました。 – 初めはアメリカンバイクが好みだったのですね。 七邊 ● JAZZ50を乗り出したのから分かるように僕自身はもともとハーレーが好きだったんですよ。バルコム福山店に行ったのも、学生なんでハーレーなんて買える身分ではないという先入観で本当に冷やかし半分だったのですが、対応してくれたセールスの方が 本当に親切な方で色々と相談に乗ってくれたのです。 – まさか初の大型バイクはBMWでは無くハーレーダビッドソンですか? 七邊 ● そのとおりです(笑) 予算の関係でドラッグスター1100と思い込んでいましたが、セールスの方から「初めから欲しい車両を買わないと結果的にいらない出費が増えるよ。ドラッグスターを買うお金を頭金にして買ったほうが絶対に良いよ」と背中を押してくれました。その日はいったん帰りましたが、親を説得し数か月後には自分で貯めた頭金でハーレーの2004年FLSTFファットボーイを契約しました。学生の身分でしたが、高校時代から続けていたガソリンスタンドのバイトのお陰で何とかオーナーになれました。 – その時期からバイクのメカニックという気持ちにシフトしていたのではないですか? 七邊 ● ハーレーを買った時点で就職先は絶対バルコムグループにと思いました。すぐに学校にはバルコムを目指すと意気込みを伝えて就職活動をスタートし、バルコムに入社することが出来ました。それが5年前のことです。 – ただその時点ではBMWとは結びつきませんね。 七邊 ● そうです。ここまでの流れでお分かりのとおり、もともとはハーレーダビッドソンのメカニックを志望していました。しかし、当時はメカニックに枠が無くBMW Motorrad Balcom岡山店に配属が決まりました。 – かなりショックだったのではないですか? 七邊 ● そんなことはなかったです。僕自身BMWのことは好き嫌いを言うほど全く知識がありませんでしたし、ハーレーだけに固着してもメカニックとしては広がりも無くなると思い、逆に知らない世界に飛び込むことにワクワクしたくらいです。 – しかしながらBMWに入られた当初は大変ではなかったですか? 七邊 ● バイクは車と違って殆どの部品が目に見えるように配置されています。車ならボンネットの中に隠れるエンジンもむき出しですから、整備の慎重性を高く求められることに驚きました。 – ハーレーとBMWで比較して驚かれたことはありますか? 七邊 ● 今でもハーレーは所有していますが、BMWでは電子制御システムの進化が凄いですね。BMWは20年近く前からABSを装備していますが、ハーレーでは最近やっと装備がスタートしたくらいですから同じABSでも歴史が違いますよね。電動で動くウインドスクリーンなどは歴史の長いハーレーですら未だに採用はされていません。そのほか横滑り防止装置など、最先端の機能が備わっているBMWにはいつも驚かされますよ。 – ご自身はBMWのオーナーではないですか? 七邊 ● 現在は1985年に登場したBMW R80という空冷OHVに乗っています。自分が空冷OHVに乗っている理由として、現行モデルは故障の際もコンピュータで診断してから作業を進めるというのがセオリーになっていますが、私が乗っている空冷OHV時代は故障の状態を乗った感覚や音から判断して解決に向かうことが多いです。空冷OHVを扱うには本当に経験がものを言います。新型とはアプローチの仕方が違いますので、その両方のエキスパートになりたいと思い、プライベートでは勉強の意味も込めてR80を楽しんでいます。ハーレーもまだ所有していますので、幅広くバイクの知識を持っていたいと考えています。 – お勧めのモデルを教えてください。 七邊 ● F800RとR1200Rといったアーバンスタイルのモデルです。F800Rはチェーン駆動ということもあり独特のダイレクト感があり、スポーティーな走りをしたい方にお勧めできます。次にR1200Rは伝統のボクサーツインを搭載し独特の鼓動感を味わえることでファンの多いシリーズです。またRシリーズの中でも最も車重が軽いこともあり取り回しも楽ですし、絶対的なスピードよりも体感スピードという面で走って楽しいモデルです。両モデル共にシート高も低く足つき性が良いことで教習所を卒業されたばかりのニューオーナー様にも違和感なく気負いなく乗っていただくことが出来ます。
– BMWは足つきの問題で躊躇される方が多いと聞きますが? 七邊 ● 全く問題ありません。メーカーから着座位置が低くなるシートやサスペンションをローダウンしたモデルもラインナップされています。さらに調整を求める場合はウィルバースというメーカーであれば完全受注生産でお客様に合わせたサスペンションを提供も可能です。その他足つきに関わるカスタムについては豊富な実績がありますので、ぜひ店頭にて実際にバイクに跨って頂いたうえで相談に乗りたいと思います。 – お客様にメッセージをお願いします。 七邊 ● 現行モデルから空冷OHVまで幅広く勉強しお客様の期待に応えられるメカニックになるように頑張っていきます。現在は広島店に勤務していますが、いずれは岡山店に戻ることになります。それまでに両店のお客様に顔を覚えて頂いて、広島と岡山の交流の懸け橋になりたいと思っています。BMWのことで困ったことはぜひ私を訪ねて来店いただければと思います。よろしくお願いします。
作成: 2011年11月16日 【インタビュー・写真・文章・編集】 MC事業部 Webマーケティングチーム 西本圭介 |
その出会いから1カ月後には、ここ岡山店に足を運ぶことになりました。