新旧のBMWをこよなく愛するお城マニアのバイクフリーク
氏名:村野 祐一 /Yuuichi Murano
出身地:広島市出身 – バイクに興味を持ち始めたのは? 村野 ● 親父が通勤バイクには乗ってはいましたが、高校生くらいまではバイクには興味が無く、サッカー少年でした。 – 高校卒業後の進路はどのように考えたのですか? 村野 ● 当時はJRに入って電車に関わりたいと思っていました。その為には国公立の大学に進学せねばと考えて群馬大学の工学部に進むことにしました。 – 高校時代にはバイクでは無く電車に興味があったのですね。 村野 ● そうなんです。電車の開発やメンテナンス、運転といったことに凄く興味を持っていました。青春18きっぷで気ままに電車で旅をしたことも良い思い出です。ただバイクに関しても“ある”ことを切っ掛けに急激に興味を持ち始めてはいました。 – あることとは何ですか? 村野 ● 漫画 疾風伝説 特攻の拓(ぶっこみのたく)です。そのなかで悪魔の鉄槌というヤマハSR400が登場していました。その影響でSRに完全にノックアウトされました。 -BMWとは程遠いバイクとの出会いですね(笑) 村野 ● それで高校卒業と同時に大型免許まで一気に取りに行き、群馬へ進学が決まっていたにも関わらず、待ちきれずに広島でヤマハSR400を買いました。免許が取れる前には納車されていましたよ(笑) – 大学時代のエピソードは?
村野 ● 大学は夜間部だったので、4年間ラーメン屋でバイトをしていました。今でもうちの創業祭などで焼きソバなどを作ることがありますが、その4年間の経験が生かされていると思いますよ(笑) – 卒業後の進路はJRとなったのですか? 村野 ● 残念ながらJRに就職への夢は叶わなかったですが就職活動の時に企業説明会でバルコムが人材を募集していることを知り興味を持ちました。 – JRの進路が何故バルコムに? 村野 ● 大学の4年間SR400を乗っていたのですが、周りにはアメリカンバイクの友人も多くハーレー・ミーティングにもよく行っていました。当時は絶対ハーレーダビッドソンに乗りたいと思っていました。ですから広島で老舗のバルコムのことはよく知っていましたし、絶対ここで働きたいという思いに変わってきました。 - メカニック経験が無いのに、採用されたのですね。 村野 ● はい。私は工学部出身ですが、メカニックの経験はゼロでしたから採用頂いたのは本当に運が良かったと思いました。しかし当時あった廿日市営業所でBMWメカニックとしてスタートするはずでしたが、そうはなりませんでした。 - というのは? 村野 ● 入社した10年前は今の安佐南区西原の建物ができた時です。丁度何店舗かあった2輪部門を西原に一本化しようというタイミングでした。入社した年の9月にオープンということで、廿日市の営業所での見習い期間は早々に出島にあったバルコム・バイザシーの引っ越しの手伝いに参加しました。結局、移転オープンする9月まではメカニックらしいことは出来なかったです(笑) – それではここ安佐南区西原の店舗がメカニックの第一歩だったわけですね。 村野 ● そうです。入社してすぐに念願のハーレーダビッドソンのスポーツスターを手入れたのですが、ハーレーのメカニックになったわけでなく、当時バルコムがディーラー権を持っていたDucati部門に配属されました。 – またBMWから遠ざかりましたね(笑) 村野 ● Ducatiで先輩から手ほどきを受けながらメカニックをスタートしたのですが、当時はDucatiの仕事だけでは十分でなく、ハーレーの仕事も請け負っていました。もともとハーレーのほうが好きな自分ですから、Ducatiのメカニックにも関わらずスポーツスター限定ツーリングを企画したりしていたんですよ。懐かしい思い出です。 – DucatiからBMWへ移籍した経緯は? 村野 ● Ducati時代には就業時間が終わってから、西条のほうに講習を受けに行ったりしながらメカニックの資格を取るために勉強しました。そんなDucatiの業務にも慣れてきていた時期ですが、突然BMWのメカニックへ移籍という辞令がおりました。 それが6年くらい前だと思います。しかし当時は絶対にBMWのメカニックにはなりたくないと思っていました。 – それは何故ですか? 村野 ● それは当時隣のBMWの工場にいくと、自分が乗っているハーレーやDucatiとは別物のそれこそ4輪のような構造をしたバイクにBMWは写ったのですね。よくBMWのバイクの構造は車に似ていると言われますが、まさにそう感じました。それで苦手意識があったと思います。 – それがなぜBMWにのめり込むのでしょうか? 村野 ● BMWに移籍して1年半はマイスターというBMWメカニックの最上位の方から手ほどきを受けていました。しかしその方が退職してしまい本当に途方にくれました。その方をカバーするために毎日夜中まで無休で働き、精神的にも肉体的にも厳しい期間を経験したのですが、その経験からBMWに対しての自信や使命感というのもが湧いてきました。そして「ミイラ取りがミイラになる」ではないですが、いつしかBMWの魅力にも取り憑かれていました。 – それからBMWのオーナーになるわけですね? 村野 ● 最初に買ったBMWはOHVボクサーツインのR100です。ハーレーのV型OHVとは違う水平対向のOHVエンジンに完全に魅了されました。それまで乗っていたハーレーと違ってBMWというのは走る・曲がる・止まるという基本性能が本当に高いと思い知らされました。 – 今も昔の空冷OHVのBMWだけを乗っているのですか? 村野 ● いいえ現在は2010年式のR1200 RTのほか、空冷OHV時代のR100RTとカスタムしたR100を持っています。私は新型のBMWの良さと古い時代のBMWの良さも分かっているつもりなので、それをお客様に伝えていきたいと思っています。 – お勧めのモデルを教えてください。 村野 ● 自分の愛車ということもありますが、R1200 RTです。私は昔のBMWも好きですが、最新型をお勧めする理由はとにかく楽なんです。セル一発でエンジンが掛かることもそうですし、また安全性も凄く高いと実感しています。自分自身もABSに何度も助けられていますし、ASCという横滑り防止装置(Active Stability Control)にも実際に何度も救われた経験があります。そして独特のカウルは防風性に優れているので、たまにカウルのないバイクに乗ると80kmの巡航ですら風防がないとは、こんなにキツイ事なのかと思い知らされます。R1200 RTはツアラーですが、他メーカーでもツアラーはたくさんあります。ハーレーならウルトラクラシック・エレクトラグライドなどですね。高速道路でロングを走るという点では他メーカーにもライバルがいますが、R1200 RTはワインディングも同様に楽しめるという点でライバルとはアドバンテージがあります。もちろん成熟したボクサーツインエンジンということもお勧めのポイントです。
– それでは空冷OHV時代のBMWの魅力は? 村野 ● 新型車のような最新機能はありませんが、肩肘を張らず「まったり」と走れることですかね。そして思い切ったカスタムのベース車両に出来るこなれた中古価格もお勧めできます。ハーレーやトライアンフの旧車を使ったカスタムだとベース車を買うだけで新車以上の出費が必要ですが、空冷OHVのBMWなら手ごろな予算でカスタムにチャレンジできますしね。今欧米ではハーレーよりもBMWベースのカスタムのほうが注目されているくらいです。 – お客様にメッセージをお願いします。 村野 ● まず高年式のBMWを検討されているお客様に知っていただきたいのは、BMW専用のコンピュータ診断機については、我々のような正規ディーラーでないと持つことができません。したがって中古量販店などで購入すると正規のメンテナンスをしてもらえないというケースも出てきます。我々はBMWに特化して専門のトレーニングを受けていますし、専用の特殊工具などもそろえています。ぜひ中古車についても我々にお任せいただきたいと思います。 最後に私ごとになりますが、趣味がお城めぐりで、現在「日本名城100選スタンプラリー」にも挑戦中でやっと1/3くらいを制覇しました。たまにお城を訪問するツーリングなども企画していますので、この趣味にピンときた方もぜひお声掛けください。 空冷OHVから新型車まで我々BMW Motorrad Balcomグループにお任せください。 作成: 2011年12月3日 【インタビュー・写真・文章・編集】 MC事業部 Webマーケティングチーム 西本圭介
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その出会いから1カ月後には、ここ岡山店に足を運ぶことになりました。